BOOK.60「値上げラッシュの春ですが・・。『なんで、その価格で売れちゃうの?』行動経済学で分かる値づけの科学」

 中国の経済状況の悪化で、年明けから一段と日本の景気は減速傾向にあります。昨年まで政府は日本の経済は依然として好調であると発表し続けてきましたが、あくまで、これは政府の希望でしかありません。

  庶民の感じる実態経済とは遠い観測値に過ぎないことは、国民の多くが既に気づいていることでしょう。最近も景気は回復傾向にあると希望的観測を発表しています。
 
 「日本はGDPも年々に下降し、世界ではシンガポールの次になってしまった。下がる一方で、大変だとは宣言するわけにもいかない」というのが、政府側の正直なところだと思いますが。

  かつて戦時下にはメディアも含めて、日本は戦況が良くない状況にも関わらず全く違う報告や、ある政情不安定な国のことを楽園だと喧伝してきたという事実を踏まえれば、いかに自分自身で情報認識を確かなものにするのが重要か分かります。
 

  それは、既に発生してしまった福島原発事故という世界が目を見張る大事故に関連して、原子力発電について現在も日本は明確にノーという態度を示せないでいるのですから・・・・。
 
 話しは経済状況から少しずれてしまいましたが(もちろん戦争も原子力発電も経済が関係します)、現在、日本の景気は良くないと感じるのは、庶民の日々の生活費に加えて可処分所得が減っているからということもあります。

   つまり、市や国に治める直接税や社会保険料が増え手取りの給料が減っているのです。加えて消費税10%の導入は目の前まできています。
 
 食品など各社は消費税導入前の今だからこそ、揃って値上げに踏み切りました。主な原因はほとんどが原材料の高騰になります。

   最近は運送費の高騰なども影響していますね。原材料の高騰を理由とする値上げは今回に限らず、以前から延々と続いていることですが、食品は単品がそれほど高くないから、庶民の猛烈な反対は発生しません。

   でも庶民にとって支出が増え困ることに変わりはありません。一方で企業とっては1円のコストをいかに下げるかが重要になってきます(これは為替変動でもいえることです)。いずれにしろ、値上げは庶民にとっては困ることです。
 
値上げ、値下げ、無料・・・価格戦略がカギ
 天野は20年以上にわたり、ある健康食品2種を購入し続けていますが、これが春から合計で約1000円近く値上げしたのはショックでした。それでも購入を中止しようとは考えていません。なぜなら、この商品を信頼しているからです。よく使うアマゾンもプライム会員費を値上げです。このようにさまざまな商品の価格が気になるところです。
 
 さて、今回に紹介するのは「なんで、その価格で売れちゃうの?」(永井孝尚著、PHP新書)です。「100円のコーラを1000円で売る方法」(KADOKAWA)が売れたので、著者の永井さんのことはご存知の方が多いかも知れません。
 ビジネスで儲かるか、そうでないかは価格戦略次第。モノを値下げしたのに儲かり、値上げにしたのに爆売れするのはなぜか、売れなかったものが売れるようになり、場当たり的に値下げ、値下げをしなくとも良くなる方法などを行動経済学とマーケティング理論を含めて解説しています。
 

 まず、冒頭に出てくるのが「アンカリング効果」という言葉です。行動経済学から人が数字に繋ぎとめられることをアンカリングといい、その効果を狙って販売されたのが100円のミネラルウォーターです。「安全で美味しい水」と称され1990年代にこの商品が発売されるまで日本人は、水道水を飲み続けていました。
 しかし、同品が投入されて以降、現在でもコンビニで朝に、ミネラルウォーターを購入し続ける人は多いのではないでしょうか。無料の水道水は安全だと立証されているにもかかわらずです。無料はやはり、どこか安心できない、「人は潜在意識のどこかで最初に見せられた数字に影響される」というのがアンカリング効果なのです。
 
 一方で無料も魅力です。行動経済学では、たとえ1円の出費でも人は価値に見合ったものなのかと考えてしまう「出費の痛み」があり、無料だとその痛みが消えてしまい、その商品を使い始めるというのです。
 著書では最近、成長している無料ビジネスや定額制についてこう書いています。
 現在、フリー、つまり無料の商品は至る所にあふれています。身近なところではポータルサイトを運営するグーグルやヤフーなどのインターネット関連会社がそうですね。ポータルサイトの検索が有料になるとユーザーは大幅に減ります。
 
 そして無料ビジネスには以下の特徴があります。①無料ビジネスは無料版で広げ、他の有料版で稼ぐ、②広告で稼ぐ、③プレミアム顧客が負担する、④社会貢献活動として行うという目的で展開され②では、無料版と有料版を作りプレミアムとして有料版を展開します。
 
 また、最近では会員契約して、固定料金をとる「サブスクリプションモデル」型のビジネスが増えています。「月額5800円で、コーヒー飲み放題のカフェ」「月額1500円で、全店利用し放題になるカラオケチェーン」「月額6800円で、ブランドバック借り放題のサービス」「月額2000円で自転車借り放題」「月額800円で映画、ドラマ見放題」「月額400円で雑誌見放題」などなど、サービスは増加傾向です。
 
 では、このモデルは儲かるのか。例えば、ドコモの「月額400円で雑誌読み放題」の「dマガジン」の年間売上高は174憶円(2017年3月時点)で、読者を1.6倍増やし広告効果も上がったということです。
 

  映画やドラマが月額800円で見放題のネットフリックスは、1億2500万世帯に動画を配信しており、この顧客データも貴重なものとなります。ちなみに同社の2018年動画制作費は1兆4000億円で、ハリウッドの映画製作費を超えているといいます。
 「サブスクリプションモデル」では、顧客との関係が変わり、顧客の体験を常にアップデートしていくことが重要になるとしています。

 

マイカー賃貸カルモ

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