路上記6 過酷な労働経験者による励ましと解放

 今週は最高気温が26度になる日がありました。26度になると仕事中は汗をかきます。体感的には28度~29度ほどで夏の暑さを感じるようになります。常に身体を動かす仕事だから、気温が25度以上になると、暑さから疲労を感じる温度帯なのです。これから10月までは冬場には感じなった気温の上昇が、最大の苦痛になるのです。
 一日中、身体を動かし続けて生活していくという状態になって、身体が慣れてきたと感じたのは3年目あたりからです。それまでは20年近くマラソンを走ってきたとはいえ、朝早くから夜遅くまでの毎日の仕事で、自分の脳や肉体が辛さを感じない日はありませんでした。正直、肉体的に疲労すると精神的にも追い込まれてしまうのです。これはマラソンで十分に経験してきたことではありますが、トレーニングでは土日がハードなだけでした。
 生活が一変し、日が増すごとに疲労を感じていた時に読んで感銘を受けたのが、本田哲郎神父さんの「釜ヶ崎と福音」(岩波現代文庫)という本でした。私の実家は浄土真宗でクリスチャンではありませんが、これまでの人生で自分を超える存在というものには何度か遭遇する機会がありました。
 ボクシングの元世界ヘビー級チャンピオンのジョージ・フォアマンさんが、試合での敗北をきっかけに一旦、引退しクリスチャンとなり、数年後に教会を運営するためボクサーに復活。ボクサーとしては高齢にもかかわらず40代で世界チャンピオンになりましたが、あの時ほど宗教の力を感じたこともありませんでした。ですから仏教やキリスト教の教えは否定していません。もちろん、カルト宗教はいけませんが。
 本田さんは釜ヶ崎や山谷で労働者として働き、また牧師としてボランティア活動しながら、著書の中で労働者たちを励ます立場にいる筈の自分は、慣れない肉体労働や活動をしながら労働者たちの気遣いを感じ、何よりも「自分が労働者に解放された」と述べられています。過酷な労働をしている人には、どこかで他者を解放する力があるのではないかというのです。そして「神は小さく貧しくされた者と共にいる」と述べています。
 自分も同じように慣れない仕事で身体が動かなった時期に「一緒に働くベテランの人に励まされ、気持ちが楽になった」という経験があるのです。 そして今も仕事でどうしょうもなく疲労し辛くなった時、大いなる存在を感じ、自分の人生のゴールの先にあることを考えたりするのです。

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