路上記10 異常気象でも変わらぬ、かぐや姫の月と浦島太郎の海、それぞれの理由

 今年のゴールデンウィークは5月1日は関東地区は埼玉県熊谷市で最高気温が30度、東京都内でも28度、6日も真夏日となりました。既に7月上旬の気温です。10日には再び15度となり寒くなりました。異常気象ですね。
 日本は亜熱帯化するといわれて久しく、気象の変化で生活環境は変化する一方ですが、朝と夜に輝く月の周期に今のところ変化は見られません。1日は午前4時過ぎでも、満月が輝いていました。そして11日は三日月でした。
 その月がさまざまに影響していることは誰もが知っていることです。1か月周期の満ち欠けの引力は、海の生物に影響を与え、サンゴは満月に産卵することが多いといわれます。
 また、月と日本人の関係を記した物語は古くから存在します。代表的な「竹取物語」がありますが、スタジオジブリでアニメ映画化された「かぐや姫の物語」では「かぐや姫」は、多くの男性からのプロポーズをふって月に帰ります。従来とは違い「かぐや姫」の罪にもスポットがあてられました。その「かぐや姫」は涅槃の月で罪を犯し、人が苦しむ地上に流罪されてきた人物だという説もあるのです。
 このように昔話には意外と深い意味があるのです。例えば「浦島太郎」も殆どの日本人が知っている物語ですが、心理学者の河合隼雄さんは「昔話と日本人の心」(岩波現代文庫)の中で、太郎の住む地上を意識界、海を無意識界と位置づけ、太郎が母親と二人暮らしだったのは、社会と接点を持ちにくい「永遠の青年」とし、亀に龍宮城に連れられ乙姫と結婚することを自我の目覚めと位置づけています。
 地上に戻った太郎が箱を開け年老いてしまうことも、地上と海の世界に大きな年代のひらきがあることを示し、意識と無意識との世界に位置づけ、月から来た「かぐや姫」と「浦島太郎」の海中の乙姫は同一のイメージとも書いています。
 
月と海は人の意識や潜在意識とも大きな関係があることを示唆しています。現実では異常気象が進み生活環境が変わり、意識や肉体にもさまざまな影響が出ますが、普遍的な感覚だけは変えずに失いたくないですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA