路上記.22 今、最も熱いプロレス、総合格闘技もライジングサン、忘れられない選手たち

 7月18日のNHK総合「クローズアップ現代+」は新日本プロレスを特集し、一時期には瀕死の状態にあったプロレス界の復調と、なかでも新日本プロレスの人気の秘密に迫りました。新日本プロレスの2017年度の売り上げは前年度比20%増の38憶5900万円で、12年度の売り上げ11憶円の約3倍強となっています。
 
 なぜ、ここまで人気が復活したのか。棚橋弘至選手の地道な活動や、内藤哲也選手、オカダ・カズチカ、高橋ヒロム選手たちの活躍、従来にはない宣伝・広報活動に注力した木谷高明オーナー(ブシロード創設者)の存在は欠かせません。東京に在住の人たちには、数年前からある日、突然に山手線の電車広告に新日本プロレスの選手たちの姿が描かれたイラストを見て驚いた人も多いのではないでしょうか。活動はそれだけではなく、多くの女性誌などでも新日本プロレスの活動をアピールしてきました。その結果、いつのまにか「プロ女」という女性ファンや家族ぐるみのファン層が急増したのです。
 
 一時期、総合格闘技の急拡大でいつのまにかプロレスは人気が衰えてしまったのですが、総合格闘技もさまざまなリング外の問題が発覚し、民放各社が放送をやめて以降は人気がダウンしてしまいました。以降に再び、プロレスに火が灯り始めたのです。
 
 プロレスも総合格闘技もボクシングも生まれてから今日まで、ずっとファンであり続けている天野は、その隆盛を静かに熱く見守り続けてきました。今回はボクシングについては話しませんが、世界チャンピオンがかつてないほど多い、今日のボクシング界については、また別の機会にお話しするつもりです。
 
 何より天野がうれしかったのは、ビジネスの基本原則の一つでもある女性を対象とするという手法で、プロレスにとって新しいファン層を新日本プロレスが開拓できたということですが、実はこの普通に生活している女性たちこそが強い人たちばかりです。
 
 格闘技の世界ではアマレスの金メダリストには女性は多いですし、プロレスも、そして総合格闘技でも現在では多くのプロの女性選手が活躍しています。実際に天野はジムで男子ボクサーに混じって、サンドバックを叩く日本人の女性ボクサーを37年前に見ていました。
 
 そして、今の新日本プロレス人気を何よりも喜んでいるのは、プロレスに命を賭け、道半ばで若くして他界した、この世界には存在しないレスラーたちでもあります。ジャンボ鶴田選手、橋本真也選手、三沢光晴選手、また昨年に命にかかわる大けがをしてリングからの離脱を余儀なくされ、現在はリハビリに励んでいる選手たち・・・・。
 
 なかでも何よりも忘れられないのが日本のプロレス創設に尽力した力道山選手です・・・。この力道山選手も41歳という若さでこの世を去りました。「なぜ木村政彦は力道山を殺さなかったのか」(増田俊也著、新潮社)は、柔道家の木村政彦と力道山の闘いを通して、木村選手の生涯と日本のプロレス界や格闘技界について描かれた最も優れたノンフィクション作品ですが、一方で木村選手との試合で裏切り行為に出た力道山選手のプライベートやプロレスに賭ける想いも描かれています。
 
 現在、再び新日本プロレスに人気が復活し、再び総合格闘技がゴールデンタイムで放送されるようになった今、どうしてもこの人たちのことを忘れられません。プロレスだけでなく、総合格闘技がテレビ放送され人気が急上昇していた時期にも、一人の急逝したスターがいたことを思い出します。スイスで生まれ日本の極真空手を学び、総合格闘家として活躍中のアンディ・フグが急性の白血病で他界したのは2000年のことでした。彼は若干36歳だったのです…合掌。

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