路上記31「アスリートの活躍にみる世界でトップになる日本人の条件」

 8月27日に米国で開催されたテニスの全米オープンで、日本人の大坂なおみ選手がセレナ・ウィリアムズ(米国)を決勝で破り優勝しました。錦織圭選手の活躍にも目を見張るものがありますが、大坂選手の日本人初のグランドスラムでの優勝で、男女ともに日本のテニスプレーヤーの技術が世界レベルに達していることを実感した方も多いと思います。
 
 なぜ、この二人が世界的に活躍するテニスプレーヤーになりえたのか、既にご存知の方も多いと思います。錦織選手は世界中で活躍中のアスリートを養成する米国の名門IMGアカデミーでトレーニングを重ねました。大坂選手も一時期に所属していたそうですが、彼女も幼い頃から米国でテニスに接していました。
 
 大坂選手を見ても分かりますが、最近、日本人の活躍するアスリートにはハーフ選手も目立ちます。大坂選手の母親は日本人ですが父親はハイチ系アメリカ人です。陸上ではやり投げのディーン元気選手、砲丸投げの室伏広治選手、短距離走のサニブラウン・ハキーム選手、野球ではダルビッシュ有選手、相撲では高安晃力士、・・・・など世界一のレベル、もしくは世界一に近い選手にはハーフの選手が目立ちます。現在は男性が多いですが、大坂選手を見ても分かるように女性アスリートにもハーフ選手は増えています。
 
 ハーフにはスポーツ界だけではなく、他の業界でも活躍する人たちが多いですね。例えばハーフではないですが、つい先日に引退した歌手の安室奈美恵さんはクォーターです。よく凄い才能を発揮する人たちを指して会話の中で「日本人離れした」という言葉を使うことが多いですが、まさに安室さんはいわゆる従来の日本人にはないセンスの持ち主でした。
 
 もちろんハーフやクォーターという遺伝的要素だけが才能を発揮させるだけではありません。安室さんは幼い頃から沖縄の「沖縄アクターズスクール―」に通い始めていました。ハーフだけではありませんが、スポーツや芸能、将棋など個人の天才的能力を発揮する人たちに共通するのは、3歳位の幼い頃からトレーニングやレッスンを始めているということです。そのような意味では両親の存在や周りにいる人々がいかに大事になってくるかということもポイントになってきます。(今回は格闘技のことは書いていませんが、国力が減退傾向の日本にあっても、中軽量級のボクサーや格闘家の活躍は目立ちます。このスポーツでチャンピオンになる選手には、本当に幼い頃から家族の指導やアドバイスを受け成長する選手が多いです)
 
 また、ハーフにはスポーツや芸能界ばかりではなく、キャスターやDJなどでも活躍する人が目立ちます。「ハーフはなぜ、才能を発揮するのか」(山下真弥著、PHP新書)には、ハーフの育つ環境として、「両親を通して、複数の文化を体得できる環境にあるといえる。つまり、発想や考え方の違う人々と接触することができ、共生することを可能にする感性が身につきやすい。現在のような多文化多人種が行き交うグローバル社会を生き抜くための有利な条件を持っているといえるだろう」と書かれています。そこは帰国子女たちとも共通点があることが分かります。
 
 やはり育つ環境が大事で、優秀な遺伝子を受け継いだ者が才能を発揮し成功するとも限らないわけです。実業の世界には二代目が、創業者が成功させた企業を破綻させてしまうケースは多々あります。あまりにも恵まれた環境で育ちすぎても、良い結果は出ないのです。
 その点では在日外国人にスポーツや芸能、実業の世界で優れた才能を発揮する人が多いことをみますと、遺伝子にプラスして、その人たちが育った「環境」がいかに重要になるかが分かります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA