路上記39「人生を生き抜くことが大事業、ヒット商品はチャレンジ精神と信念から生まれる~「ごきぶりホイホイ」大塚正富の力の源泉とは~」

 毎年12月になると、その年にヒットした商品や活躍した人物は誰かをランキングしたデータが発表されます。さて、天野も同じテーマで何かヒットした商品について書いてみようと思案しました。例えばヒットする商品について考える時に、いつも思いつくのはコンビニエンスストア(以下、コンビニ)の店頭です。
 
 とにかくコンビニは売れ筋商品しか置かないことは有名です。売れなければすぐにカットされてしまいますから、メーカーサイドもさまざまに工夫します。そんな中でも、いつも店頭に置いてある商品があります。
 コンビニでいつも販売される商品にはシェアトップのロングセラー多いですね。ナショナルブランドもプライベートブランドでも同じ商品(味覚、パッケージデザインはリニューアルはされても)、つまり延々と売れ続けている商品です。
 
また、NHK朝の連続テレビ小説で放送中の「まんぷく」は、日清食品の創業者である安藤百福夫婦の半生をドラマ化したものです。安藤さんはインスタントラーメンやヒットしロングセラーとなった「カップヌードル」を発明した人物です。この商品もコンビニの店頭で姿を見かけない時はありません。
 
 今回、ご紹介するのは、コンビニの商品ではありません。でも、食品を扱う台所で、ほとんどの家庭が使用していると思われるロングセラー商品です。ネーミングも知らない人は少ないのではないかと思います。あの「ごきぶりホイホイ」を開発したアース製薬元社長の大塚正富さんについて書いた「『ごきぶりホイホイ』の生みの親 大塚正富のヒット塾」(廣田章光・日経ビジネススクール編 日本経済新聞社)です。
 
 アース製薬は防虫剤や入浴剤、オーラルケア、入浴剤を製造する企業で、現在の売上高は約1800億円に及びます。これまでに「ごきぶりホイホイ」「アースレッド」「コバエがホイホイ」などのヒットしロングセラーとなっています。
 
 正富さんの父親は大塚製薬創業者の大塚武三郎です。詳細は省略しますが、正富さんはアース製薬が赤字続きで経営不振に陥り、会社更生法の適用申請に追い込まれた1969年に、父親の命令でアース製薬の社長に就き、同社の救済、つまり黒字化に向け動き出したのです。
 
 当時、アース製薬が事業展開する市場では、蚊取り線香は金鳥、ベープマットはフマキラーと圧倒的なシェアを持つ企業が目の前に立ちはだかり、これら競合と対抗するには同じようなものでは勝てず、違うもので対抗するしかありませんでした。つまり、ゴキブリ関連の商品開発しか残っていなかったのです。何かゴキブリを捕獲する良い手段はないか。大塚さんは考え続けました。
 
 と、ある夏の暑い日、バスの中で窓の外から蝉の鳴き声が聞こえてきました。大塚さんは子供の頃に蝉を捕獲しようと網で追いかけたことを思い出します。そこで粘着物である鳥もちを棒の先につければ、蝉が獲れたことを思い浮かべ、そのとき、ゴキブリもくっつくことに気がつきました。その閃きがきっかけで「ごきぶりホイホイ」が誕生したのです。以降、ロングセラーとなった同品は、現在、海外の30か国以上で販売されています。
 
 アース製薬は日用品の分野で売れる商品を開発するには、1独創的な商品であること、2パテントで必ず権利を押さえておく、3美的感覚を他メーカーより重要視する、4顧客に理解されやすい商品感覚、5海外マーケットにも注意することなどを挙げています。
 
 大塚さんは以下のようにも話されています(一部を略し抜粋)。人生を生き抜くことが大事業です。楽しいことや辛いこと、時には自分の運命がガラリと変わってしまうような大きな変化に遭遇したり、死んでしまいたいと思うような悲しい出来事にぶつかったり、千差万別な世の中なのですが、それらの全てに打ち勝って、自分の人生を成功型に導く必要があるのですから、まさに大事業なのです。
 そして、ありのままの自分を受け入れ、自分を嫌わないことが成功型の人間を作る重要な要素で、何よりも計画を実行する勇気を持っていただきたいのです。

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