路上記42「情報化時代を生き抜く武器・インテリジェンスについて、前人未到・連載50年の『ゴルゴ13』から読み解く」

 肉体労働者としての生活をおくるようになる前までは、1日に最低1店 、多い時で2店の本屋に足を運んでいましたが、現在は忙しくなったので、出版物の新刊はスマホでの閲覧がメインとなりました。
 
 店頭はコンビニで雑誌や漫画本の販売状況を見るのが精一杯の状況ですが、漫画の販売コーナーでは必ず目にするのが「ゴルゴ13」です。コンビニは基本的には売れ筋しか商品を置かないので、同品は好調に推移しているということですね。
 
 漫画家のさいとう・たかをさんがスナイパーの「ゴルゴ13」ことデューク東郷の活躍を世界を舞台に描くこの作品は、今年で漫画雑誌「ビックコミック」(小学館)に連載を始めて50年が経過しました。これは前人未到の記録です。
 
 1968年の11月から連載がスタートし現在まで、休むことなく延々と連載されている長寿漫画なのです。2017年の発行部数は2億冊を超えました(ウィキペディア)が、官僚や政治家、会社経営者までもが読むと言われる、この漫画がいかに人気があるかを証明しています。
 
 「ゴルゴ13×佐藤優 Gのインテリジェンス」(さいとう・たかを、佐藤優 小学館)は、作家の佐藤優さんが「ゴルゴ13」を基本に、現在のさまざまな情勢を交えながら「国家とリーダー」や「テクノロジーと人間」について、どう描いているかを分析しています。インテリジェンスとは正しい情報を選択し分析する技術のことです。
 
 佐藤さんは、かつて外務省本省国際情報局分析第一課に勤務をしていました。本著ではさいとうさんと佐藤さんが「ゴルゴ13」の魅力や今までに書かれていない秘密、自分自身の仕事観などについても対談しています
 
 第2部「テクノロジーと人間」では、AIとドローンについて「ゴルゴ13」第554話『ビッグ・データ』を題材に、日本の巨大広告代理店が消費者の行動履歴や購買履歴の莫大なライフログを分析し、さまざまなマーケティングに生かすことが描かれています。さらにスマホアプリを用いて勝手に個人情報を入手し、その情報をもとに国や世界を動かすデータサイエンティスト(ビッグ・データを分析し活用する人)たちも登場。エピソードとして地方のスーパーを潰すために、そこを利用する客層を分析し、なじみの客以外を販促メールで別の大手スーパーへ誘導するなど、主婦に興味深い話も出てきます。
 
 しかし、現在、保険や製造関連企業が育成しているデータサイエンティストたちは、いずれはAI(人工知能)に駆逐されると佐藤さんは予想しています。ではAIはどんな仕事を奪っていくのでしょうか。
 オックスフォード大学が2013年に発表した「10年後、20年後になくなる仕事」データでは、テレオペレータ(電話販売員)、不動産登記の審査・調査、コンピュータを使ったデータ収集・加工・分析、保険業者、銀行の窓口係、スポーツの審判員などがなくなると予測されています。
 
 しかし、一方でAIの進化を恐れることはないとも断言しています。なぜなら、AIは足し算と掛け算しかできず、確率と統計しか計算できませんが、世の中にはコンピュータにはできない仕事も多いということです。
 実際に残る仕事としてオックスフォード大学は作業療法士、ヘルスケアソーシャルワーカー、栄養士、振り付けし、セールスエンジニア、小学校教員、心理学者、緊急事態の管理監督者などを挙げています。
 
 このように「ゴルゴ13」は現在の我々の生活に関連のあることを数多くテーマにして描いています。なぜ連載が50年も継続しているのか、この辺りにも理由があるようです。
 佐藤さんは対談の中で「『ゴルゴ13』を愛読しているのは、仕事論として面白いからです。ビジネスパーソンがビジネス書のひとつとして目を通したら多くのことを得るでしょう」と述べています。
 
 また、さいとうさんは以下に話しています。「私が描いているのは世界情勢ではなく、人間のドラマです。実際、世界の情勢というのは、隣近所の出来事となんら変わりないと思っている。隣家との境界線のいざこざなんて、そこら中にあるでしょう。あれと国境線をめぐる争いは根本的に違いない。ただ隣近所の出来事を描いても作品として面白くない。だから、舞台を世界にしたというだけです」

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