BOOK・46「情報爆発時代に選ばれる商品とは。なぜ、それが買われるのか?を探る」

 2000年以降のインターネットやSNS、ツイッター、そしてスマートホンの普及で生活者の物の買い方、メーカーなど製造者にとっての物の買われ方が変わりました。買物シーンが大きく変化したのです。

 天野のように多忙な人間は、食品以外は殆どがインターネットショッピングに頼っています。とにかく、「ほしい」「必要」だと思う商品が翌日に自宅に到着するというのは有難いことです。しかも、送料が無料となれば、つい買物が増えてしまいます。

 しかし、インターネット通販の拡大はリアル店舗を運営する小売業にとっては痛手となり、宅配業者として働くトラック運転手は慢性の人手不足が続いているといわれます。全てが好転している状況を生み出しているとも言えないのです。

 この状況は生活者にもあてはまり、買物をする者にもインターネット社会の成長で情報量が爆発的に増え、どう買物をしていいか分からない。賢く情報収集しなければいけないというプレッシャーから、面倒くさいと考える人も出てきているといいます。

 「なぜ、『それ』が買われるのか?情報爆発時代に『選ばれる』商品の法則」(博報堂買物研究所著、朝日新書)は、現在の情報爆発時代に、生活者が安心して商品を選べる仕組みや、成功している企業について書いた本です。

 著者は「情報爆発」は買物に変化をもたらしましたが、便利さだけでなく、大量の情報に惑わされて「買い物欲があっても、買えない」状況を生み出していることを指摘。物やサービスが売れないのは、消費者ニーズに応えていない、価格が高い、品質がよくないという理由だけでなく、情報の多さから、何を選んでいいのか分からなくなり買えない現象を生み出しているといいます。

 では、この状況を回避すべく、各分野ではどんな施策が打たれているのでしょうか。例えば、生活家電分野では吉本興業の芸人が、おすすめの家電を選択し、生活者に分かりやすく紹介したり、「旅行、交通」分野では、「プロトラベラー」がSNSで自分の旅を紹介したりしています。

 また、日本のライブコマースのトップの一人である「ゆうこす」こと菅本裕子氏は、日々、「モテるコツを知っているモテクリエーター」として、メイクやおしゃれをする時に可愛くみえるテクニックを動画サイトやSNSで公開しています。

 彼女の総フォロワーは100万人といわれ、莫大な量のファッションやコスメ商品の絞り込み装置となることで、彼女が紹介した商品を買いたいと思う生活者が続出します。この状況は買物の流れが、これまでの欲しくなり、購入するという衝動買いのイメージとは異なるといいます。

 このように情報爆発時代の、さまざな買物シーン=表=では、生活者に選ばれる「枠」が必要になることを指摘。「こだわり過ぎない、けれど一定水準のクオリティを担保しているから選べる」という枠作りをしてあげることが大切だと述べています。

 企業では全国で600店を展開する企業の「ほけんの窓口」を事例の一つにしています。スタッフが「そもそも保険とは何か」「どんな時に必要なのか」「どんな種類の保険があるのか」基礎的な知識を教え、今後、顧客が生きたい人生像や必要なお金までを共に相談し、一緒に考えながら、35社の保険会社からどんな保険が顧客に合っているかを選び提案することなどが挙げられています。

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小説「海に沈む空のように」は1月13日掲載分で連載を終了しました。
近々、電子書籍として発行する予定です。
新作「闇が滲む朝に」は2月から連載をスタートします。
ご期待ください。

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