Book69(Manga).「今も支持される永遠のヒーローの謎を探る。テレビ、映画(世界同時配信)、コミックで人気の『ULTRAMAN(13 )』」

50年以上にわたり、愛され続けるウルトラマンの魅力とは

 ふと、何気ない飾りものがその人にやる気を起こさせたりすることは多々あります。天野が働く現場には「ウルトラマン」キャラクターの扇風機や、「キン肉マン」のポスターが貼ってあったりしますが、扇風機を見た時は、こんな所でも「ウルトラマン」は生きていると再認識しました。

  自分にとっては懐かしくて少し愛嬌のあるウルトラマンキャラクターですが、実はこの懐かしさとは変わって、今も同時進行中で「ULTRAMAN」を読んでいます。

 「ウルトラマン」シリーズは1966年からテレビで放送を開始されて以降、現在まで53年間にわたり、延々と続いている作品です。

  今年の7月からはテレビ東京系で「ウルトラマンタイガ」が全国テレビ東京系で放送されています。「ウルトラマンタロウ」の息子「タイガ」が登場し、主人公・工藤ヒロユキがタイガ、タイタス、フーマの複数ヒーローに変身するストーリーとなっています。

 また、2011年からは漫画「ULTRAMAN」(原作・清水栄一、作画・下口智裕著、小学館クリエイティブ)も漫画雑誌「ヒーローズ」で連載がスタート、現在はコミックス13巻まで発売されていて累計240万部以上を発行しています。

 

 

アニメ映画は世界同時配信

 4月からはアニメ映画化もされNetflixで世界同時配信されています。こちらは劇画タッチで描かれる新しいものです。

   従来からの「ウルトラマン」シリーズが宇宙人として設定されているのに対し、「ULTRAMAN」は戦士として描かれ、元ウルトラマンだった早田進の息子である進次郎が、科学特捜隊からウルトラスーツを与えられ異星人の敵と闘います。

 とにかく、描かれる「ULTRAMAN」がかっこいいので天野のような大人が読んでいても、わくわくする漫画ですね。題材も連載開始時はアイドルを巻き込んだ連続殺人事件などを扱ったりしています。

   身近で現実に発生しそうな事件なので読んでいくうちに、思わずのめり込んでしまいます。コミック版は音がないので、劇画がそのまま自分の脳内に入り込み、自分が異次元に移動したような感覚になります。
 
コミック「ULTRAMAN」は大人が魅了される

 最新刊の13巻では香港を舞台に「黒の指令」「獅子奮迅」「光の角度」などで構成。ウルトラ族は評議会への加盟を拒否したことから、「この世界にとって悪だ」とされ、「地球人にとって怪獣や異星人の脅威から救ってくれた崇高なる存在」としてのウルトラマンが、地球人を危険とし攻撃する恐れがあることが危惧されるようになります。
 
なぜウルトラマンは地上で長年にわたり我々の前に現れるのか 

 さて、設定のコンセプトなども含めさまざまにリニューアルされながらも、なぜ「ウルトラマン」は、長く人気を得ているのでしょうか。

   元来、「ウルトラマン」は金城哲夫さんが作者です。金城さんは沖縄の出身で幼い頃に東京に上京し大学を卒業後に、円谷プロダクションに入社しシナリオ作家として活躍、初期のウルトラシリーズを手がけてきました。

 この「ウルトラマン」は、金城さんが育った沖縄という環境から生み出されたといっても過言ではありません。「怪獣使いと少年」(切通理作著、洋泉社)には金城さんと「ウルトラマン」の関係について詳しく書かれています。

    金城さんは幼い頃に一家全員が沖縄戦を経験しました。母親は爆撃で片脚を失い、妹はアメリカ軍の収容所から出て数ヶ月後に飢えのあまり、いたんだ食べ物を口にして死亡しました。

   初期の「ウルトラマン」を集約すると、「『ウルトラマン』=科学の神、アメリカ帝国主義、『怪獣』=公害、核の被害者、マイノリティ(アイヌ人、沖縄人)、『怪獣の破壊』=東京大空襲、原爆、沖縄戦など」となるのも、金城さんの個人的な経験が影響しています。

 そして主人公の「ウルトラマン」は地球から300万光年離れた、戦争を克服した「光の国」からやってきました。

   この「ウルトラマン」の原型は、金城さんが円谷プロダクションで最初のテレビシリーズとして企画した番組の主人公「WOO」です。

   「WOO」は宇宙からきた知的生物で自在に宇宙を移動し、手からは光線を発射し、人間にも乗り移ることができました。

 また、沖縄には最近までアミニズムが残っており、ユタ、ノロという巫女がいました。

   巫女は精霊の代弁者となり、戦士は狼や鷲の精霊を我が身に宿らせて戦に出ました。まさに「ウルトラマン」となる早田隊員なのです。